任意整理
- 任意整理
- 任意整理とは、金融機関と借金の減額交渉を行い、月々の負担額を減少させる方法です。債務整理の中で、任意整理は、手続きをするための費用が最も少なく、新たな生活への影響も少ない方法です。そのため、借金問題の解決、債務整理を行う人は、この任意整理を選択する場合がほとんどです。
1.任意整理の特長
月々の支払いの負担が
軽くなります。
任意整理は、金融機関と交渉する債務整理の方法です。任意整理することで、借金の総額や月々の返済額を減らすことで、支払いお負担が軽くなります。
任意整理は、弁護士が交渉することで、依頼者に、より有利な条件を引き出せます。
利息の減額だけではありません。
多くのケースで、今まで払いすぎていた利息を見直して、さらに今後発生する予定の利息を無くし、元本のみを無利息で返済していくようなプランができます。
今まで、利息だけを払っていて、借金が全然減らない、という方には、任意整理は、最適な方法ともいえます。
また、依頼を受けた弁護士が受任通知を送ると借金の請求、取り立てがストップします。
和解の成立まで借金の返済をとめておくこともできるのです。
減らしたい借り入れだけを減らせます。
債務整理を行う場合は、すべての借金についての手続きをすることが求められています。
しかし、住宅ローン、マイカーローンは、債務整理を行うと家や車を手放す必要がでてきます。
また、保証付きのローンなどは、保証人に迷惑をかける可能性も出てきます。
そこで、任意整理です。
任意整理という債務整理の方法であれば、
減らしたい借金だけを選んで減らすことができるのです。
たとえば、家は手放さないで、他の借金を整理する、などの方法も考えられます。
このように、弁護士に相談すると、同じ借金の解決方法でも、お困りの方の個別の事情、ご要望にあった解決策をご提示、ご提案ができます。
迅速に借金を解決できます。
任意整理は話し合いによって、金融機関と直接交渉する手続きです。
そのため、裁判所を入れることなく、弁護士と金融機関が直接話しをするため、スピードが早いのが特長です。
裁判所を利用する自己破産や個人再生と比べると、任意整理がより広く利用されている債務整理の方法だというのはこうしたことにも理由があります。
他人に知られる恐れが少ない。
任意整理は、弁護士と金融機関の間だけの交渉のため、秘密を守りやすいという特長もあります。
裁判所を利用しないため、国の記録に残ることがないのです。
また、弁護士に依頼すれば、金融機関とのやり取りはすべて弁護士が行うため、連絡はすべて弁護士事務所にすることで、借金のことがご家族や会社に知られることを防ぐことができます。
借入期間が長ければ、過払い金を取り戻せます。
任意整理により、お金が還って来る人もいます。高い利息を、長期間にわたり、借入と返済を続けていた場合には、弁護士のほうで、正しい利息で計算し直します。
すると、その結果、すでに借金を完済しており、さらに過払い金、つまり払いすぎていた利息がある、ようなこともありえます。
2.任意整理を利用できる方
このように便利でメリットの多い任意整理ですが、この任意整理は、誰もができる債務整理の方法というわけではありません。
任意整理を利用するには、以下の条件があります。
- ●継続して収入を得る見込みがある
- ●減額後の借金を3年程度で返済できる見込みがある
この2つの条件を満たす事ができる人が、任意整理を利用できます。
3.任意整理のメリットとデメリット
任意整理は、債務整理のなかで、利用する人がもっとも多い方法です。
下記のように、任意整理にはメリットが多くあるのがその理由ですが、デメリットもあります。
- ●弁護士に依頼すると、各債権者からの取立てがすぐに止まります。
- ●借金が減額できます。
- ●払い過ぎていたお金(過払い金)を取り戻せる場合があります。
- ●全ての金融業者の借金を任意整理するか、
一部の金融業者だけ任意整理するか、選ぶことができます。 - ●弁護士と金融業者との話し合いで手続が進むため、
自己破産や個人再生のように官報に載ることがありません。 - ●自己破産のように各種の資格制限がありません。
- ●特定調停と異なり、裁判所を使わないので、
呼び出しなどによる時間的な拘束がありません。 - ●家族や職場に知られる可能性がもっとも低い方法です。
- ●他の債務整理方法に比べると費用の負担が少なくて済みます。
- ●信用情報機関(ブラックリスト)に登録されるため、
目安として5~7年間は自分名義で借金やローンができなくなる可能性があります。 - ●自己破産や個人再生に比べて、借金の減額率が少ないため、
思ったよりも借金が減らない場合もあります。
4.任意整理を弁護士に依頼したほうがいい理由
任意整理はご自身で手続きすることも可能です。
ご自身で手続きを進められる場合、弁護士費用が発生しないため、経済的な負担は軽くなる場合があります。
しかし、債権者との交渉がうまくいく可能性が低くなります。法律の知識や交渉力が弁護士に依頼する場合に比べ、圧倒的な差が生じ得ますので、より有利な和解ができなくなる可能性があります。
弁護士に依頼すれば、それだけ有利な任意整理ができるので、結果として弁護士に依頼したほうが経済的にもメリットになる場合もあります。
任意整理は、まずは専門家である弁護士に相談したうえで判断いただければと思います。
5.任意整理手続きの流れ
- 1.貸金業者に受任通知を発送
- 相手方に通知が届けば、請求が止まります。借金の返済もストップしていただきます。
- 2.取引内容の調査
- 弁護士が貸金業者からこれまでの取引経過を取り寄せます(通常1か月程度)。
- 3.引き直し計算
- 相手方に通知が届けば、請求が止まります。借金の返済もストップしていただきます。
- 4.和解案(返済計画案)の作成
- 事前にご相談のうえで方針を決めておき、ご依頼者様にとって無理の無い返済計画を立てます。
- 5.貸金業者との交渉
- 作成した和解案を貸金業者に提示して、借金の減額を交渉します。
*過払い金が発生していた場合には、その返還について貸金業者との間で交渉し、交渉がまとまれば、過払い金の返還を受けます。
- 6.和解の締結
- 交渉がまとまれば、和解書を作成し取り交わします。和解書の内容にそって、無理のない返済がスタートします。